コラム
Column今こそ「変化」を「大きな力」へ‼️
2022年3月26日(土)、マスク付き3年目の春…第24回定期演奏会が開催されました。「♪この木なんの木・・・みんなが集まる木ですから〜」…フィナーレでは、3歳から大学生まで約100名が大集合。ステージいっぱいに嬉しそうな子ども達の顔が並び、会場には久々の歌声を心から喜び、楽しんで下さっているお客様の温もりが、沁み渡っていました。子ども達が集って歌っている光景がなんだか神々しくて(涙)。これまで当たり前の光景だったはずのに、こんなにも素敵な画に感じられることに、感謝の気持ちが込み上げました。そこにいる誰もが嬉しそうで、幸せそう!!久しく味わっていなかったこの感じ…無事に開催出来て本当に良かった♡!!
ここ数年、世間的にも「合唱は…」と言われることが多く、合唱団としては苦悩の連続でした。子ども達の安全が絶対なのはもちろんですが、今歌うことをストップする事が、子ども達にとっての最善策なのかどうか…世の中の状況に応じて、その都度、指導者・保護者で話し合いを持ち、慎重に進めて参りました。
「欲張らず、諦めず、休まずに‼︎」 コロナ以前からの私達の団のモットーですが、こんな時だからこそ、頑張らなくては!子ども達が諦めることに慣れてしまわないように、明るい未来を信じられるように…とにかく前を向いて希望を持ち続けられるよう、「休まない」選択をしました。
保護者の皆様には、子ども達のやりたい気持ちを見守り応援して頂けたこと、私達を信じて練習に出して下さったこと、集まれない期間に「お家フィーニュ」(動画配信)を子ども達と一緒に取り組んで下さったこと…もう合唱なんてこの先ずっと出来ないんじゃないかと、心が折れそうになった時もありましたが、前に進んでも良いんだ!と思える環境があったことは、本当に本当に有り難かったです。
コロナの影響に一喜一憂する日が、とうとう2年間にも及んでいた3月初旬、第24回定期演奏会に向けて1ヶ月ぶりに集まった子ども達は、笑顔少なく、静まり返っていました。身体は強張り、表情は険しく、全身に漂うションボリ感。まったく歌うどころではない緊張感…「さて、どうしよう」。でも、それもそのはずでした。毎日目にするニュースは、子ども達への感染拡大と、ウクライナの戦況を伝えるものばかりで、どこもかしこも緊迫状態。こんな時に、自分達は歌をうたっていて良いのか…罪悪感!?無力感!?子ども達の小さな心は、何とも言えない複雑な気持ちを抱えていました。
そんな時、FacebookでブルガリアのManolさんの活動を拝見しました。Manolさんとは2019年に欧州文化首都Plovdivの「国際青少年音楽祭」に参加せて頂いた時からのご縁で、コロナ終息後のデツカ・キトカ合唱団来日に向けて、たまに連絡を取り合っておりました。
そんなManolさんが、身を粉にして、ウクライナ避難民の方々に手を差し伸べている活動を知り、子ども達や保護者から、私達の気持ちも一緒に届けてもらえないかという声が上がりました。
早速、古木さんにもご相談をさせて頂き、定期演奏会当日に「Manol募金」という形で募金箱を設置する事となりました。お母様方が作成して下さった素敵な募金箱には、子どもから大人まで沢山の方々の温かい想いが詰め込まれ、後日無事にお送りすることが出来ました。その後、Manolさんの手配により、ウクライナから避難してきた子ども達の為に、2つの幼稚園を完成させる手助けが出来たそうです。
この2年間、人との接触が思うように持てない中でしたが、子ども達の中に溢れる相手を想う気持ちが、このような形で実現出来たことを、本当に嬉しく思いました。 Manolさん、ありがとう〜♡
コロナ禍で誰もが直面したことは、「これまでと違う行動」を取らざるを得なくなった事だと思います。もともと「変わること」が得意でない私達日本人は、特に慌てふためき右往左往したように思います。そんな中、新たな現実に順応しようと奮闘する子ども達の柔軟性には、驚きました。「だって、しょうがないじゃん」と聞こえてきそうな(笑)ホントにたくましい子ども達の姿から、「変化」は「大きな力」に変えていける‼️と確信しました。合唱団活動に於いて、創団当初より私が大切にしてきたこと・・・それは、常に子ども達と一方通行にならない関係でいることです。一緒に音楽をする仲間として、そこにいる全員が主役になる必要があり、様々なアイデアを積極的に取り入れ、喜んで学び、新しいものを受け入れる姿勢を持つことが大切と考えています。
こんな時代になったからこそ、今まで以上に、私達大人も変化を恐れず、柔軟に対応していきたいと強く感じています。
人との繋がりは生きていく上で欠かせないもので、気づきや感動、様々なものをもたらしてくれます。2010年から今まで経験させて頂いた数々の感動を伴う体験や素晴らしい出会いは、着実に、子ども達のワクワクする未来へと繋がっております。
EUジャパンフェスト日本委員会の皆様の変わらない熱い想いと、温かいご支援に感謝申し上げますとともに、今後もこのような素晴らしい活動が継続されますことを、心より願っております。この度は、本当にありがとうございました。