コラム

2023年6月9日から6月11日まで、ティミショアラのクイーンメアリー公園にて、『Launmomentdat in Parc 2023』が開催されました。この場で本企画の成功をご報告できることを大変嬉しく思います。この企画には日本、キューバ、メキシコ、モロッコ、イタリア、スペイン、スイス、イギリス、オランダ、フランス、セルビア、ルーマニアからアーティストが参加し、異国の香りやリズムが漂う魅惑的な雰囲気に包まれました。

第6回目となる本年度のフェスティバルは大成功を収め、多様な観客を魅了し、世界中から集まった文化的遺産の豊かな物語を紡ぎ出しました。フェスティバルではアーティストたちがその才能を披露し、芸術的なアイデアを交換し、文化の多様性を祝うためのプラットフォームが提供されました。活気に満ちたパフォーマンス、展示、ワークショップは参加者を魅了し、異文化に浸るまたとない機会をもたらしました。

アーティストとの交流や彼らのパフォーマンスを通じて、来場者はさまざまな伝統、表現形式、音楽の美しさを体験する機会を持つことが出来ました。この文化交流は、相互理解を促進するだけでなく、さらなるコラボレーションや文化的イニシアチブのきっかけとなりました。

EU・ジャパンフェスト日本委員会には、このイベントの成功のために極めて重要な役割を果たしていただきました。委員会のサポートにより、日本から著名なアーティストたちを招聘することが出来ました。さらに、すべての来場者の入場料を無料にすることが可能になり、個人から家族連れまで幅広い層が参加できるフェスティバルを実現することが出来ました。

著名なエレクトロニックミュージックのプロデューサー兼作曲家である寺田創一氏は、革新的なサウンドスケープと人を惹きつけるビートで観客を魅了しました。彼のライブセットでは、日本の伝統的な要素と現代的なエレクトロニカの融合が披露され、ノスタルジックで爽快な雰囲気を作り出しました。

アマゾン・ステージでの魅惑溢れる彼のパフォーマンスは、従来のライブセットの領域を超え、その革新的なアプローチで観客を電子機器との対話を持ちながら魅了しました。

寺田氏のオーディエンス参加型パフォーマンスによって、観客は音楽制作のプロセスに積極的に参加することが出来ました。彼らは電子機器のさまざまなボタンやノブ、コントロールを試すように勧められ、ユニークなサウンド作りを通して、音楽そのものを体験する機会を楽しみました。

日本人DJ・音楽プロデューサーとして高い評価を得ているHiroko Hacci氏は、ダイナミックな存在感と魅力的な選曲でフェスティバルのステージを飾りました。彼女のDJセットは、様々な音楽ジャンルを深く理解し、それらをシームレスに融合させることの出来る能力を如実に物語っています。

パフォーマンスを通して、Hiroko Hacci氏はエレクトロニック、ハウス、EBM、テクノミュージックの要素を取り入れ、幅広い音楽的影響を披露しました。彼女の巧みなミキシングとセンス溢れる選曲は、各トラックが切れ目なく次へと流れるような、没入感のあるサウンド体験を生み出し、観客を魅了し続けました。

Hiroko Hacci氏のDJセットのハイライトのひとつは、聴き慣れないサウンドを紹介し、観客を音楽の発見の旅へと誘う能力です。彼女の革新的で実験的な音楽へのアプローチは、既存の枠に挑戦し、聴き慣れた曲に新しい視点をもたらします。この親しみやすさと新しさのユニークなブレンドは観客を飽きさせず、興味をそそらせ、活気に満ちたエネルギッシュな雰囲気を生み出しました。

世界のテクノシーンで高い評価を得ているDJ SOは、東京の有名なthe Labyrinthの創設者であり、その卓越したスキルと比類のない専門知識をフェスティバルのアフターパーティで披露しました。彼のテクノ・セットは、終始観客を魅了し、没入感と躍動感のある雰囲気を生み出しました。

彼がDJデッキに立った瞬間から、観客はドライヴ感のあるビート、複雑なリズム、催眠術のようなメロディーを特徴とする音の旅へと導びかれました。彼のシームレスなトランジションと巧みなトラック・ミックスは観客を魅了し、会場全体にエネルギーの渦を巻き起こしました。

DJ SOのテクノ・セットが本当に際立っていたのは、激しさと雰囲気の絶妙なバランスを生み出す彼の能力です。彼は強弱を巧みに操り、観客を陶酔の絶頂と内省の瞬間に誘いました。彼の選曲は、そのジャンルに対する深い理解と、没入的で忘れがたい音楽体験を作り出す才能を見せつけました。

私たちの今後の計画としては、東京を訪れ、The Labyrinthに参加し、日本のアーティストたちとの交流を深めたいと考えています。その旅は、ジョブシャドウイングに取り組み、日本の芸術と音楽文化の奥深さを掘り下げながら、広範なリサーチ作業を行うまたとない機会となります。このような直接的な交流を育むことで、日本人アーティストのユニークな視点や技法に対する深い理解と評価を培うことが出来ると考えています。このような経験は、私たちの知識をさらに豊かにし、新たなコラボレーションを刺激し、芸術プログラムの幅を広げ、文化の多様性と革新の継続的な向上を確かなものにするでしょう。

最後にこの場を借りて、本フェスティバルに多大なご支援をくださったEU・ジャパンフェスト日本委員会の皆様に深い感謝を申し上げます。皆様からのご支援は『Launmomentdat in Parc 2023』の開催に大きく貢献し、文化の多様性の促進と国際関係の強化に大きく寄与しました。私たちは引き続きこのような取り組みに尽力していきます。今後もご支援を賜りますようお願い申し上げます。