コラム
Column[#KeepgoingTOGETHER] Vol.23 「友惠オンラインシアター」
1. オンライン配信を実施しての所感
この度は、COVID-19 の影響を受け、私自身、海外で予定されていた公演が滞在中に防疫のため中止、ライブストリーミング配信となるという事態を経て、帰国後日本で自宅待機しておりました。欧州での感染拡大のニュースを目にしながら、これまで欧州文化首都でお世話になったアーティストやご関係者にも思いを馳せると共に、応援している医療 NGO の方が現場で闘っている姿も届いており、COVID-19 で奮闘する方や STAY HOME する方々を、作品を通して応援したいとの思いが湧いておりました。そのような中、EU・ジャパンフェストさんからの応援の声が届き、一念発起、オンライン配信に踏み切ることができました。「ヨーロッパの多くの市民の方々やアーティスト、そして今、絶望の淵に立たされている国内外すべての人々に強い連帯の気持ちを送りたい」との願いが込められたプロジェクトに共感し、むしろその力とさせて頂きたいとの思いで参加させて頂きました。作品の命の輝きを届けることができ、応援をくださったことに感謝の気持ちで一杯です。
オンライン配信を実施したことで、欧州の方々を含めお会いできない方々とあらためて繋がりなおすことができ、まさに「keep going TOGETHER」と掲げられていたメッセージの力を実感し合うことができました。
2. オンライン配信で得た成果と課題
劇場での公演は体感を通して感動を共有できますが、オンライン配信はそれとは異なるプライベート空間での鑑賞の形式となることから、じっくりと感想を届けてくださる方もおられ「心の声が届く」という感触を得ております。また、この度はオンデマンドでのご提供となりましたので、ライブ公演ですと時間が限られますが、幅広くご鑑賞の機会をご提供できました。さらに、この度配信した劇場作品におきましては、劇場の臨場感をできる限り感じて頂けるよう、オンライン配信のページで映像の周囲の色やデザインでそれが削がれないよう配慮したりいたしました。あらためて今回の経験を活かし、オンラインで閲覧をして頂くための映像作りや、閲覧して頂く画面の環境作りをも課題に、オンライン配信をより充実したものにしていきたい思いが高まっております。
3. 今後のご活動におけるオンライン配信の活用や展開について
この度は特に長編の大作をご提供いたしましたが、チャプター式でのご提供など、工夫の余地がまだまだ沢山あることと感じております。また、現在、劇場での活動の制約と共に、 国内外でのワークショップなど稽古や研修の方法にも課題が生じております。このような中で、作品上映としての活用と共に、教育コンテンツの提供についても可能性を探求し、展開していきたいと考えているところでございます。 一方、その取り組みと同時に、からだ表現のアートにおいて、劇場―ひとつの場を共有し、共に生きること―の掛け替えのなさを一層実感することともなっております。しかし、 今回の強い連帯の気持ちを送りたいという“keep going TOGETHER”の取り組みにより「心を繋ぎ合える」ということが実感できたことは、これからの人間交流の貴重な礎となっていくことと感じます。 これまでの欧州での活動への支援と共に、この度の速度感ある EU・ジャパンフェストの心強い支援に尽きせぬ感謝を申し上げます。
<プログラム>
友惠オンラインシアター
- 実施日:2020 年 5 月 14 日~6 月 30 日
- 内容:COVID-19 で奮闘する方、自宅待機する方々への応援として TOMOE ONLINE THEATRE を開設し、作品を通して命の輝きを届けるべく 「友惠しづねと白桃房」の音楽と舞踏 映像 2 作品のオンライン無料配信 を実施。 Vol.1 奇蹟の身体舞台アート・友惠しづねの世界 “一本の木の物語” Vol.2 “からだ 生き物たちの心根” 友惠しづねと白桃房 音楽と舞踏 続いて「WORLD of TOMOE SHIZUNE」として映像作品をご提供いたしま した。
- 使用した広報ツール:facebook, Instagram, ウェブサイト, メッセンジャーや LINE、メールでの 個別の呼びかけ, 郵送, 口コミ, ウェブページでのバナー表示, 広告、プレ スリリース、ニュースリリースの発信
- 使用した配信ツール:Vimeo, You Tube, facebook 内、ウェブサイト
- 視聴者の反応を得る ために工夫した点:ハッシュタグ、facebook での呼びかけ、メッセンジャーや LINE、メール での個別の呼びかけ等
- 視聴者数 (総合計):13000 ビュー超 (6 月 1 日現在 継続中)