コラム
Column[#KeepgoingTOGETHER] Vol. 26 菅原圭輔「Raum (ラウム)」
1. オンライン配信で得た成果と課題
短編映像作品をアーカイブとしての公開ではなく、あくまでも「バーチャル・イベント」としてライブ配信、限定的な公開を行いながらも一定数の視聴者数を獲得できたのは大きな成果でした。またベルリンを拠点に活動していながら、日本在住の方々にも自分の芸術活動を 「報告」という形ではなく、進行形で「参加」していただけ、繋がれたことに大きな収穫を感じています。
課題としては、配信に伴いイベント開催中にもう少し視聴者とのやりとりを直接行えればよかったと思っています。具体的にはコメント機能を設置したり、その場でオーディエンスがリアクションを行える機能を組み込めたらより生の反応が感じられたかと思っています。直接目に見えないオンラインでのことなので、「反応」を得るのが難しかったです。次回の一つの大きな課題として受け止めています。そして、告知に関してもう少し工夫できたのではないかと感じます。チームとしての結託力を高め、効率的にPR活動が行えたのではないか、また2週間前からの告知に関しましても、期間をのばし、時間をかけてアピールした方が効果的だったのではないかと思います。
2. オンライン配信準備で苦労した点・工夫した点
自身初めてのオンライン・イベントをどのように宣伝していき、どこにターゲットを設置するのか、またロックダウンの中でどうしたらより多くの人にアプローチできるのかをリサーチし、慎重に検討いたしました。
欧州で多くのアーティスト達がオンラインで作品を発表しているのを自粛期間中に見ていましたので、数多くのオンラインイベントがある中で自分なりの差別化をし、自分だったらどのような配信ページに魅力を感じるか、自分のオンライン・イベントに対する意義や意味を簡潔に伝えることができるのかを考え「配信ページ」を制作しました。
工夫した点としては、世界中どの地域にいてもアクセスしやすい時間にライブ配信を設定したかったので、他都市同時開催にいたしました。同日同時間(5月29日午後9 時)になるように配信を行い、日本語と英語で分けてページを制作いたしました。具体的な宣伝についてはSNSをメインに行い、Instagramではイベント開催2週間前より、ストーリー機能を通してイベント告知を実施いたしました。加えて、より多くの方々に告知できるように1週間前を目安に各種SNSの宣伝機能を利用しました。効果は以下の通りです。
InstagramとFacebookの宣伝機能 計4回
- Instagram / イベントと作品の概要(日本語/日本をターゲット)- リンクへのアクセス数:307
- Instagram / イベントと作品の概要(英語/ヨーロッパ全土をターゲット)- リンクへのアクセス数:283
- Facebook/ イベントページ(日本語/日本をターゲット) – リンクへのアクセス数: 166
- Facebook / MOLS magazineによる作品紹介とレビュー(日本語/日本をターゲット) – リンクへのアクセス数:141
3. 今後のご活動におけるオンライン配信の活用や展開について
今後、より多くのことがオンラインを通して行われるようになっていくと感じています。オンライン配信が一つの大きなコンテンツとして確立される中、アーティストとして自身がどのように関わりをもっていくのかを考えさせられるきっかけになりました。より多くの方に、そして滞在する場所を問わず、オンラインを介して発信を行えるツールとしての魅力を今回の経験を通して感じましたので、これからも積極的に利用していければと思っています。ただ、全ての事柄に対して有効だとは断言できかねますので、しっかりとした区別化を行い、オンライン・コンテンツとして発表するのがより効果的な作品やイベントに関しては継続的に実施し、発展させていきたいと考えています。
<プログラム>
Raum (ラウム)
- 実施日:2020年5月29日
- 内容:短編アート映像作品„Raum“のオンライン上映会。 ベルリン在住のパフォーマー、菅原圭輔が昨年東京で撮影を行った 初の自主制作監督作品、”Raum”。キャストに神嶋里花さん(anore所属)、音楽にMakoto Sakamoto さんをむかえ、ある女性のモノローグに焦点を当てた11分間の短編 アート作品。余白と”余韻”に人は何を想うのか。 バーチャル・イベントによる、ライブ配信での当日限定の上映会として開催。
- 使用した広報ツール:Facebook, Instagram, website: keisuke-sugawara.com / molsmagazine.com
- 使用した配信ツール:Wix video (keisuke-sugawara.com 公式website上)
- 視聴者の反応を得る ために工夫した点
・InstagramとFacebookの宣伝機能
・実施日2週間前よりストーリー機能を使用しての情報公開
・プロジェクト参加アーティストの#をつける
・個人的な連絡による、イベント参加、拡散のお願い(e-mail等)
・情報媒体に作品紹介を取り上げてもらう(MOLS magazine) - 視聴者数 (総合計):243(イベント時ライブ配信の視聴者数)