コラム
Column[#KeepgoingTOGETHER] Vol.27 mama!milk Site-specific Concert at 法然院 Honen-in Temple, Kyoto
1.オンライン配信を実施しての所感
現場で観客を招聘しての演奏会で来ていただける観客キャパシティを超えた視聴者がコンサ ートを見ているということの興味深さと同時に、観客に届いているものの違いについて考え るとても貴重な機会になりました。例えば実際の場所に観客を招く場合、会場まで移動し、 会場の雰囲気、建築などを味わい、客席の場所や隣に座る観客を感じながら、実際の演奏に 向き合うところ、オンラインでは一気に演奏が始まるところにジャンプできるので、そこか らどのように観客の体験を紡いでいけるか、演奏方法、選曲、カメラの切り替え、画面の見 せ方、照明のタイミングや構成などを再構築することが新しい体験でした。 また、観客に 届いているものが視聴環境によって違うことを想像することもとてもクリエイティブな体験 でした。
2.オンライン配信準備で苦労した点・工夫した点
万全の状態で、質の高い配信を行うべく、会場にて2度の配信チェックを行いました。 普段はwifiも、電気も通っていない会場ですので、お寺で使われている光回線と電源をお 借りし、有線で引き回し、それぞれのスペックを考慮しながら、現場で作り込む作業もたく さんありました。 また、視聴者へは、マイクを通しての音しか届かないため、マイクのセッティングや、奏法 も試行錯誤しながらの配信となりました。 外の光が急激な変化を見せる時間帯を狙いましたので、照明と映像の設定も事前の色調整 や、シュミレーションを行いました。
3.今後のご活動におけるオンライン配信の活用や展開について
今回のオンライン上演をへて、6月に京都文化博物館でオンライン配信を含めた、観客を有 する(可否、人数などは、これからの状況の変化に対応しながら)演奏会を予定していま す。 オンラインは、会場まで足を運べない方々に遠く届けられるメリットもあり、これからの時 代、生の演奏会とうまく組み合わせていく可能性も探って行きたく思います。 無料で見れるもののままで良いのか、実際にかかる費用など、どのように動かしていくか は、まだまだこれからの課題だと思っています。 同時に、配信でしか成し得ない表現の方法も、これから多く生まれてくると思います。
<プログラム>
Site-specific Concert at 法然院 Honen-in Temple, Kyoto
- 実施日:2020年5月17日
- 内容:京都のお寺、法然院の方丈庭園を借景とした、アコースティックコンサ ート
- 使用した広報ツール:Facebook, Twitter, instagram, e-mail, official web site.
- 配信ツール:YouTube
- 視聴者の反応を得る ために工夫した点:ハッシュタグの使用、告知ツールのfacebookのコメント欄の解放
- 視聴者数 (総合計):Youtube リアルタイム視聴 800名超、再生回数 2300回超 (公開 4 日目 21st May 2020)